Yasuo Mori■森保夫さん
1978年にシアトルで森指圧クリニックを開業。1983年にワシントン州ボード・オブ・マッサージ、ワシントン州保健省認定AMTA(American Massage Therapist Association)のメンバーとなる。大学やマッサージ・スクールなどで指圧講師としても活躍する。
Mori Shiatsu Clinic TEL:206-464-0782 
ウェブサイト:www.shiatsuyasuomori.com

マクロビオティックとは?

人間はその土地の自然環境に適合した身体(気、血液)を保ち、そこに合ったものの考え方を取り入れると、身体と心の病気にかかることなく過ごせます。そのひとつの方法は、その土地でその季節に取れるものをうまく調理して、よく噛んで口の中で唾液と混ぜ合わせることなのです。あとは適当に身体を動かし、呼吸を整えると血液も浄化され、正しい生活ができる健康な身体を保つことができます。

各国の伝統の生活法(食事、料理など)は、その土地の自然の秩序の下で生まれました。それがマクロビオティックの生活法で、全世界で徐々に波及しつつあります。マクロビオティックの基本は簡単ですからすぐにのみ込めますが、本当にわかるには実行、経験が必要です。病気予防も簡単な治療も自分でできるようになります。

アメリカの食事で気を付けたいこと

日本人は本来、穀物と野菜(根菜)と海産物で数千年以上も過ごしてきました。在米1〜3年未満の人はアメリカ風のインスタント、ファスト・フードを常食すると、身体だけでなく精神的にも安定を失います。身体がこの土地に慣れるまで、ご飯やみそ汁といった日本の伝統食を食べると健康状態も安定してきます。アメリカで3年以上暮らすと身体も環境に慣れて、こちらの文化慣習にも順応してきますから、日本の伝統を維持しながらこちらの長所も取り入れられます。

食材は地元のノースウエストでとれる穀類(玄米など)や野菜を中心に、海産物(魚介類、海草など)を副食とし、自然原料を用いたみそ、しょう油(それぞれ伝統的方法で熟成させたもの)、酢などを使ってうまく料理するのが基本。肉食の人の場合は野菜をよく取り入れ、みそ、しょう油、塩分は少々控えたほうがよろしい。加工品はできるだけ取らないで、全体食(食材全体を丸ごと食べる)を考えて料理を工夫してください。

何事もよく噛んで味わうことが大切

世の中には目に見えるものと目に見えないものがあります。多くのアメリカ人は前者にばかり気を取られがちですが、日本人は伝統的に目に見えないものも大切にしてきたはず。目に見えるもの(食物)を噛むことと、目に見えないもの(文化慣習、言語など)を経験を通して理解すること(噛むこと)、どちらも時間を掛けて行ってみてください。食べ物でも文化でも人でも、よく噛んで味わうとまた違った見方ができるものです。そして、丸ごと身体に取り入れてください。これが私流の全体食、マクロビオティックの考え方です。

これを実行できると、日本人独特の順応性が生まれ、世界中どこへ行っても楽しく生活ができます。早のみ込みしないで、あせらずに生きましょう。あとは自分の好きなことを思い切りやれば良いのです。

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