春、夏、秋、冬……ノースウエストの四季に応じた健康法を
マクロビオティックの観点でつづる歳時記  文/森保夫

第3回 夏の太陽を存分に浴びよう

ひと口30回以上噛むこと

健康が優れない主な原因は、人と自然の調和が崩れているからです。季節外れの食材、添加物や防腐剤などの化学合成物が入った食品、農薬を大量に使用して作った農産物、その飼料を食べて育った牛や鶏の肉、汚染された海で採れた海産物などが、体の気の流れをブロックして機能を退化させます。そして、それらが原因で体調を崩し、薬の乱用も含めた現代病を次々と生み出すのです。
身土不二の法則を応用し、その季節に合った地産のオーガニック食材をうまく調理してよく噛んで食べれば、体にも優しく、気の流れも良くなります。心身共に健康で平和な、人間本来の生き方を見いだせるのです。
特に日本からアメリカに移住された人は、環境に順応するのに大変なので、それなりの工夫が必要。いちばん効果的なのは、食事の際にひと口30回以上噛むという簡単なことです。だまされたと思って、まず1週間くらいやってみては? 効果バツグンでびっくりしますよ。

魚介類を謳歌!

夏本番! 地球から宇宙へ上昇していくエネルギーが強まる季節です。ノースウエストの夏はとびきり素晴らしく、平均気温24℃と、日本に比べて湿気も少なくしのぎやすいです。
食物としては、ニンジン、ダイコン、小松菜、赤カブ、トマト、キュウリ、枝豆、トウモロコシなどの夏野菜、ピクルスやらっきょうなどの漬け物や、ビネガー入りのドレッシングなどで味付けしたサラダを食べると良いでしょう。
長芋、オクラ、納豆を入れた白みそ汁、麦やトウモロコシ、玄米入りの雑穀ご飯は、体に優しく滋養たっぷりです。
桃やなし、ブルーベリーやブラックベリーなどのベリー類もおいしい季節になりました。
また、サーモンなどの魚介や野菜を野外でバーベキューするのは、ノースウエストの夏の風物詩。地産の白ワインもよく合うでしょう。ただし、食べ過ぎ、飲み過ぎにはくれぐれも気を付けましょう。

小腸と心臓に注意

夏は、小腸と心臓を養生することが大切です。腕の内側にある少界(ひじの内側の骨のきわ、ひじを曲げた時にできる横じわの内側)を指圧したり、ショウガ湯で温めると効き目があります。また、「腕骨」(手の甲側の小指と薬指の間を手首に向かってなで、行き止まるところのくぼみ)、「少衝」(小指の先、爪際の内側)、「労宮」(手のひらの中央)を指圧したり、手のひら、手の指をまんべんなく揉むのも良いでしょう。
避暑地として、たくさんの人々が世界中から訪れるノースウエストの夏。登山、キャンプ、ハイキング、自転車、ヨット、ボートといったレジャーなど、山、海、湖で、夏の太陽の気を大いに取り入れましょう。

(次回は10月号に掲載予定です。)

 


小腸と心臓に注意。「腕骨」「少衝」「労宮」など、手と腕のツボを中心に、手のひら、手の指をまんべんなく指圧すると良し。

食事
地採れの魚や貝、野菜、肉などを、野外でバーベキュー。太陽の気を取り入れながら、夏の風物詩を満喫しよう。

森保夫:1978 年にシアトルで森指圧クリニックを開業。大学やマッサージ・スクールなどで指圧講師として活躍するほか、日本伝統の食事を基にしたマクロビオティックを指導して、健康で楽しく生きるための生活法を実践している。マクロビオティックについての無料相談も実施しているので、質問などある方は気軽に下記まで連絡を。
Mori Shiatsu Clinic TEL: 206-464-0782 
www.shiatsuyasuomori.com

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